3つの方法から選ぶ
HELPER VPS では、サーバー作成時にイメージを選ぶだけで、WordPress の準備の手間が大きく減ります。自分の状況に合った方法を1つ選んでください。
- WordPress のイメージ: Ubuntu 24.04 上に Nginx、MySQL、PHP と WordPress がインストールされます。ブラウザでインストール画面を済ませるだけなので、ブログを1つ開く最も早い方法です。
- LEMP のイメージ: Nginx、MySQL、PHP が用意されたサーバーに WordPress を自分で載せます。複数のサイトを1台のサーバーに置く場合や、フォルダ構成と設定を自分で決めたい場合に適しています。
- Docker のイメージ: WordPress とデータベースをコンテナで起動します。サイトを別のサーバーに移したり、同じ環境を何度も作ったりするときに便利です。
小さなブログなら最小の 12GB 一般プランで始めても十分で、ネットショップや訪問者の多いサイトなら、ディスクの速い NVMe 高性能サーバーでページがより軽く開きます。サイズ別のおすすめは WordPress VPS のページにあります。
まずドメインを接続する
ドメインを使う予定なら、インストール前に接続しておけば HTTPS 証明書まで一度に取得できます。ドメインを購入したサービスの DNS 管理画面で、次の2つのレコードを作成します。
- A レコード: 名前は @(と www)、値はサーバーの IPv4 アドレス
- AAAA レコード: 名前は @(と www)、値はサーバーの IPv6 アドレス
レコードが反映されるまでには、通常数分から数時間かかります。サーバーで ping -c 3 example.com を実行し、自分のサーバーの IP が表示されれば準備完了です。下のコマンドの example.com は、自分のドメインに置き換えて入力してください。
方法1. WordPress のイメージですぐに始める
- サーバー作成画面でリージョンとサイズを選び、イメージ一覧から WordPress を選択します。
- サーバーが実行中になったら、ブラウザで
http://YOUR_SERVER_IPを開きます。 - 言語を選び、サイトのタイトル、管理者のユーザー名、パスワード、メールアドレスを決めればインストール完了です。
http://YOUR_SERVER_IP/wp-adminで管理画面に入ります。
管理者パスワードは長く複雑なものにし、ユーザー名は admin ではなく自分だけが知っている名前にすれば、ログイン試行に強くなります。ドメインの接続と HTTPS は、下の HTTPS のステップをそのまま進めてください。
方法2. LEMP サーバーに自分でインストール
LEMP のイメージには、Nginx、MySQL、PHP-FPM がすでにインストールされています。WordPress に必要な PHP の拡張、データベース、サイトの設定を加えるだけです。Ubuntu 24.04 を基準にしており、ほかの Ubuntu や Debian でも同じ手順です。
ステップ1. PHP の拡張をインストール
apt update
apt install -y php-mysql php-curl php-gd php-mbstring php-xml php-zip php-intl php-imagick
php -v
ls /run/php/php -v は PHP のバージョンを、ls /run/php/ は PHP-FPM のソケット名を表示します。Ubuntu 24.04 は PHP 8.3 なので php8.3-fpm.sock、Debian 13 は PHP 8.4 なので php8.4-fpm.sock が表示されます。下の Nginx の設定に、この名前をそのまま使います。
ステップ2. データベースとユーザーを作成
root で接続した状態で mysql を実行すれば、パスワードなしで MySQL に入れます。下の4行で、WordPress 専用のデータベースとユーザーを作成します。パスワードは長いものに変えて入れ、メモしておいてください。
CREATE DATABASE wordpress DEFAULT CHARACTER SET utf8mb4 COLLATE utf8mb4_unicode_ci;
CREATE USER 'wpuser'@'localhost' IDENTIFIED BY 'change_this_long_password';
GRANT ALL PRIVILEGES ON wordpress.* TO 'wpuser'@'localhost';
FLUSH PRIVILEGES;
EXIT;ステップ3. WordPress をダウンロード
cd /var/www
curl -O https://wordpress.org/latest.tar.gz
tar xzf latest.tar.gz && rm latest.tar.gz
chown -R www-data:www-data /var/www/wordpressフォルダの所有者をウェブサーバーのユーザー(www-data)に変えておけば、ブラウザのインストール画面が設定ファイルを直接作成し、プラグインやテーマも管理画面からすぐにインストールできます。
ステップ4. Nginx のサイト設定
server {
listen 80;
listen [::]:80;
server_name example.com www.example.com;
root /var/www/wordpress;
index index.php;
client_max_body_size 64m;
location / {
try_files $uri $uri/ /index.php?$args;
}
location ~ \.php$ {
include snippets/fastcgi-php.conf;
fastcgi_pass unix:/run/php/php8.3-fpm.sock;
}
location ~ /\.ht {
deny all;
}
}ln -s /etc/nginx/sites-available/wordpress /etc/nginx/sites-enabled/
nginx -t && systemctl reload nginxnginx -t が syntax is ok、test is successful と表示すれば、設定は正しいです。まだドメインがない場合は、server_name に _ を書き、デフォルトサイト(/etc/nginx/sites-enabled/default)のリンクを削除すれば、IP アドレスで開けます。
ステップ5. ブラウザでインストールを完了
http://example.com を開くと、インストール画面が表示されます。データベース名 wordpress、ユーザー wpuser、ステップ2で決めたパスワード、ホスト localhost を入力し、サイトのタイトルと管理者アカウントを決めれば完了です。
方法3. Docker Compose でインストール
Docker のイメージで作成したサーバーや、Docker を自分でインストールしたサーバーなら、ファイル1つで WordPress と MariaDB を一緒に起動できます。2つのパスワードは長いものに変えて入れてください。
mkdir -p /opt/wordpress && cd /opt/wordpress
cat > compose.yaml <<'EOF'
services:
db:
image: mariadb:11
restart: unless-stopped
environment:
MARIADB_DATABASE: wordpress
MARIADB_USER: wpuser
MARIADB_PASSWORD: change_this_long_password
MARIADB_ROOT_PASSWORD: change_this_other_password
volumes:
- db:/var/lib/mysql
wordpress:
image: wordpress:latest
restart: unless-stopped
depends_on:
- db
ports:
- "80:80"
environment:
WORDPRESS_DB_HOST: db
WORDPRESS_DB_USER: wpuser
WORDPRESS_DB_PASSWORD: change_this_long_password
WORDPRESS_DB_NAME: wordpress
volumes:
- wp:/var/www/html
volumes:
db:
wp:
EOF
docker compose up -dhttp://YOUR_SERVER_IP を開くと、インストール画面が表示されます。データベースの情報はファイルにすでに入っているので、サイトのタイトルと管理者アカウントを決めるだけです。記事とアップロードファイルは wp ボリュームに、データベースは db ボリュームに残るので、コンテナを新しいバージョンに入れ替えてもそのまま維持されます。
Docker で起動したサイトに HTTPS を設定するときは、手前にリバースプロキシを置く方法がすっきりしています。画面でドメインを入れるだけで証明書まで自動で設定する Coolify や Dokploy のイメージを使えば、さらに簡単です。
HTTPS 証明書の設定
WordPress のイメージと LEMP のサーバーでは、Certbot で Let's Encrypt の無料証明書を取得し、Nginx にすぐに設定できます。ドメインがサーバーの IP を向いている必要があります。
apt install -y certbot python3-certbot-nginx
certbot --nginx -d example.com -d www.example.comメールアドレスを入れて規約に同意すると証明書が発行され、Nginx の設定に HTTPS が追加されます。証明書は Certbot が自動で更新します。次に、WordPress の管理画面の「設定 > 一般」で、WordPress アドレスとサイトアドレスを https に変更します。ファイアウォールを使うなら、ufw allow 80,443/tcp で2つのポートを開けておいてください。
インストール後にしておきたい設定
- パーマリンク: 「設定 > パーマリンク」で投稿名の形式を選ぶと、アドレスが読みやすくなります。上の Nginx 設定の try_files の行が、このアドレスを処理します。
- アップロードサイズ: 大きな画像やテーマファイルをアップロードするには、Nginx の
client_max_body_sizeと一緒に、/etc/php/8.3/fpm/php.iniのupload_max_filesize、post_max_sizeを同じサイズに上げ、systemctl restart php8.3-fpmを実行します。 - メール送信: 会員登録、パスワードの再設定、注文通知のメールは、SMTP プラグインでメール配信サービスの587番または465番ポートにつなぎます。方法はメール送信ガイドにあります。
- 更新: WordPress 本体、プラグイン、テーマは管理画面から、サーバーは
apt update && apt upgrade -yで、定期的に最新にしておきます。 - バックアップ: 記事とデータベースは作り直せない資産です。サーバー作成時に自動バックアップをオンにしておくか、バックアップとスナップショットのガイドの方法でコピーを残しておいてください。
最初からインストールし直したいときは、サーバーページの再インストールで WordPress のイメージを選び直せば、クリーンな状態に戻ります。ディスクが新しくインストールされるので、必要な記事は「ツール > エクスポート」で先にダウンロードしておき、手順は再インストールガイドを参考にしてください。
